初登院から検査入院まで、1週間くらいだったか?とにかく早かった気がする。
検査入院は、2泊程だったかと思う。
お腹に穴を開けての腹腔鏡下検査のため、期間は短い。
入院となると、子供たちの世話をどうしようとなる。
下の子はまだ1歳3ヶ月程だったか。
幸い、日頃から夫が子供達の面倒をかなりみていたので、私が入院となってもすんなり対応してくれた。
姉と父にも手伝ってもらえた。
すごくありがたかった。安心して、自分に専念できた。
急だったが、仕事もすんなり休ませてもらえた。
勤務先には、治療に専念するため辞める予定であることも伝え済みだった。
私の希望を極力叶えようとしてくれたことは、今でも感謝している。本当にありがとうございました。
そして、
入院の日が来た。
私はとても緊張しやすく、パニックになりやすいが、この時は想像よりもかなり冷静だった。
レンタルのパジャマに着替えて、検査に備える。
病棟には漫画が沢山あり、ドキドキする検査入院の中、とても気が紛れた。
ちなみに、この時読んだのは、田辺イエロウ氏の【結界師】。【週刊少年サンデー】掲載で、妖を退治する結界師の家族や仲間の戦いを描いた物語です。登場人物たちの、自分の力では、なんともできない運命の力と対峙しながら、妖を退治していく様子は、病気で、この世から追い出された気分だった私がのめり込むのに、充分な要素を含んでいました。
事実と運命を受け入れて、向き合って、
そして戦うんだわ。
みんなそうしてるんだわ。
まず認識するんだわ。現状を。
逃げたいけどね。
漫画【結界師】の作品の中の台詞にとても感動してしまった。
「世界を恨むな。自分が思っているより、世界はずっとずっと広く、君を、全てを包み込んでくれている。」
本当に?本当にそうですか?
私は、この世の活き活きと生きる人間の世界からぶっ飛ばされたんじゃないんですか?
こんな状態になっても、私はいいんですか?いいんだよね?いいよね。。
自分の世界が狭い事も、癌と闘っている人が私だけじゃない事も、充分わかってる。
わかってるんだけど、やっぱり、なんで私が、、、、って思ってしまったりする。
そんな時、このセリフは、私の心にフワッと柔らかいフワフワの毛布を掛けてくれたような気持ちになった。
そして、もう一つ、上げ膳据え膳の状態もありがたかった。
作らなくてもご飯が食べられることが、なんだかちょっとウキウキした。
実家には、ご飯を作ってくれていた母はもういない。
な〜〜〜んにも考えなくても、栄養を考えたご飯を出してくれる状態、久しぶりだったなあ。。
何を作るか考えなくても、買い物に行かなくても、作らなくても高タンパクのご飯を出してくれる。
苦手な牛乳はジョアに変更してくれる。
ガンの治療の影響等で、ご飯が食べれない人のために、カレーや焼きそば、うどんなどにも変更してくれる。
なんか嬉しかったよ。
食事の時間は「わ〜〜〜い」って思ってた。
ただ、ほんの少しの空気の違和感で、大量に想像や妄想をしてしまう性質の私には、4人部屋はきつかった。
次の手術入院は開腹でダメージも大きいし個室にしたい、と、電卓をたたいて、計算とお金のやりくりに脳味噌を使うのも気が紛れる一因となった。
実際の検査について、あまり記憶ない。
検査中、私は麻酔で寝れていたし、腹腔鏡下は、開腹手術と比べると術後の状態がかなり楽なため、開腹手術の記憶よりもかなり薄い思い出になっているようだ。
しかし、検査当日付き添ってくれた姉の話によると5時間程かかったようだ。そんなに待たせてたんだね、ごめんね。
夫も姉も忙しいのだ。
のちに、姉からは5時間かかったから検査結果は良かったんじゃないかと思った、と言われた。
あ、そうか。腹膜播種が見つかるまで検査続行になるから、
見つからないほどに時間が延びるのか。。
そうか、なるほど。
見つからなかったから無かった、とは言えない事はわかっているが。